気功について

Qigong
太気拳の基本稽古である立禅。中国では站椿(たんとう)と呼ばれています。
太気拳の基本稽古である立禅

気功について

太気拳の基本稽古である立禅。
中国では站椿(たんとう)と呼ばれています。
これは杭のように立つ、という意味です。

站椿は気功の一種であり、太気拳創始者・澤井健一の師である王向斎が武術の訓練として採用しました。

気功を続けていると、外から気を採り入れる、内なる気を養う、という伝統的な表現がしっくりくるような体感が得られます。
ですが未体験の方にはどうも信じがたい、胡散臭い、と思われるかもしれません。

そこで伝統的な表現によらず、私なりの現代人の感覚で説明をしたいと思います。

・気分、心の状態が健康に少なからず影響を与えている
誰にも気分というものがあります。
いい気分と悪い気分。
気分によって、表情や心拍数、血圧など、身体の状態が異なることを実感できます。
気分が体調を左右し、病気を引き起こすこともあれば、治りを早くすることもあることは現代医学も肯定する事実です。

・身体の仕草、動かし方で気分を変えることができる
気分のいい人が近くにいたり、その人の仕草を真似したりすると、機嫌がよくなることがあります。
逆に、機嫌の悪い人が近くにいたり、その人の真似をしたりすると、機嫌は悪くなります。

気功には様々な種類がありますが、動物の動きを真似る気功があります。

例えば熊の動きを真似ることによりその力強さをもらおうとします。
虎の動きを真似てその速さ、勇気をもらいます。

人よりも動物や自然の方がある点においては、はるかに優れています。
その力を、動きを真似る(=学ぶ)ことによって自らに写し取るのです。

それは迷信に思えますが実はそうではなく、上述のような理由で気分が自分に入り込んでくるのです。

太気拳の基本である立禅(站椿)は杭の真似をしています。
立木、大木を模しているのです。

木は火事になってもその場から逃げることもできず、人の感覚からすれば不自由な原始的な命とも思えます。
しかし見方を変えれば、何十年も、何百年も同じところに静かに立ち続け、自分が切られようとも燃えようとも動じることのない、とんでもなく落ち着いた存在、とも言えるのではないでしょうか。

熊の動きから力強さを学んでいるように、立禅は大木の「静けさ・落ち着き」を真似て自らに写し取ろうとしているように感じられるのです。

誰かを真似ると、その気分が多少なりとも自分に写し取られる。
それが納得できるとすれば、気功の基本的な概念を理解したことになります。

いつも笑顔を絶やさない人と、いつも怒っている人。
それぞれの十年後を想像してみてください。
どちらが健康でしょうか?
どちらが豊かな人生を送っているでしょうか?

気功とは「自分をご機嫌にする技術」
だと私は感じています。

武術的な観点から立禅を考察し、その根源的な力についてこちらのページでも紹介しました。
この根源的な力は、武術的な護身力を高めるとともに、養生・健康に貢献します。
この根源的な力を養うことがすなわち気功・養生といっていいかもしれません。

立禅ではひざをゆるめて立ち、腕はボールを抱えるように胸の前に挙げています。
できるだけ力を入れずゆったりと。
とはいえ、立って腕を挙げているので完全に脱力することはできません。
これによって、弛緩と緊張の最適なバランスを探ることができます。

膝を曲げ腕を挙げることにより、体は静止していますが負荷がかかっています。

太気拳の基本である立禅(站椿)は杭の真似をしています。立木、大木を模しているのです。
立禅は気を蓄えるものです

何時間立っても息が荒れることはありませんが、慣れないうちは足がガクガクと震え、肩の痛みに耐えきれなくなってきます。
ですが慣れてくると肩やモモといった局所の痛みはなく、軽く運動をしたような血流の上昇、指先がビリビリする、といった感覚を味わいます。

ぬるめの温泉にゆったりと浸かると、適度な疲労感とともにリラックスします。
あの状態に近いものを感じます。
または息が荒れない程度のジョギングです。
身体中に血液が巡り、気分は爽快になります。
締め付けられていた頭がスーッと緩まりスッキリとします。
唾液が湧き、喉が楽になり胸はホッとしたときのよう。
心は大きな仕事を成し遂げた達成感の中くつろいでいる、勇気と安心を併せ持つ心境です。

軽い運動や温泉に入浴したあとは心身ともに快適になります。
そしてその快感は、タバコや飲酒によって引き起こされた快感と違い健康に良い影響を与えている、ということは医学的な検証がなくとも誰もが感じることができるものです。

太気拳の稽古や気功をしたあとは、この種の心地よさをより深く感じるのです。
太気拳の稽古は通常の運動と異なり、イメージを多用します。
それによって単に身体を動かすだけではなく、意識自体を動かし、より高い効果が得られるのです。

ある一部分だけの筋肉を酷使しないので体の弱い方、高齢者でも気軽に続けることができます。
立禅は疲労の度合いよりも回復の度合いが高い「休息しながらの運動である」という表現もされます。

このように姿勢による適度な負荷に加え特殊な意識状態によって、気功は単純な身体運動とは異なる独特の効果を発揮するのです。

気功とは「自分をご機嫌にする技術」だと上述しました。
他に「交感神経と副交感神経のバランスをとる技術」だとも言えます。

身体を活発に動かす交感神経、落ち着かせる副交換神経。どちらも大切です。
その状況に応じてバランスをとることです。
イライラするときには少し落ち着きを、どんよりとやる気がでないときにはもう少し活発に。

立禅は気を蓄えるものです。
神秘的な表現ですが実際にやってみると「なるほどその通りだ!」と感じることができます。
ですが、実際の作用はおそらく神秘的なものではなく、とても当たり前に、効果的に、しかも優しく心身を整えてくれるものなのです。

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