15Sep
荘子 人間世篇7

荘子 人間世篇7

自分の心から門や砦を取りはらい、いっさいの警戒をすて去り、ここを自分のすみかとひとすじに定め、やむにやまれぬ必然の運命のうちに身をよせるならば、それで完全に近いということができよう。(中略) 幸福もまた、あがきをやめた空虚な心にこそ、とどまり宿るのである。 荘子 人間世篇7(森三樹三郎訳) 「今よりも幸福に、豊かに、健康に、なりたい。」 そう思う。 だけど実は、 「今よりも幸福...

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12Sep
「私」にとっての「事実」について

「私」にとっての「事実」について

科学的なこと、客観的なことが事実・真実というのが一般的な常識だ。 「火星に無人探査機が到着した。」 これは客観的な事実だろう。 しかしそれが「私」「自分という意識」にとっても事実・真実だろうか。 「私」は五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)から入力された刺激を脳などで処理した結果と、思いや思考、感情などが総合された主観の世界で生きている。 生まれてから死ぬまで、この様子のみである。 ...

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8Sep
中心力

中心力

武術において最優先事項は相手を倒すことではなく、自分を護ることである。 そしてその力の物理的な源泉は外に放出する力ではなく、中心に向かう力である。 中心に向かう力とはバランス力だ。 自分の外に向かう力と中心に向かう力があるとき、中心への力が優っていればバランスが維持される。 ヤジロベエを軽く揺らすと揺れが少しづつ小さくなり、ついには中心で静止する。 だが限界を超えて強く揺らせば、中心...

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5Sep
「好き」で「それをやっている自分が好き」なことをやる

「好き」で「それをやっている自分が好き」なことをやる

人生は選択の連続だ。 どのような選択をするか、そしてその判断基準はなにか。 それがその人の人格やライフスタイルを決めると言っても過言ではない。 以前の私の主な判断基準は「損か得か」「それが将来、自分のためになるかどうか」であった。 進学や就職など、人生を方向づけるような大きな選択肢であればあるほど、その傾向は強く現れていた。 ところがここ10年ほどは、何かを選ぶとき「好きか嫌いか...

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1Sep
荘子 斉物論篇13

荘子 斉物論篇13

上古の人には、その知恵が、それぞれに到達するところがあった。 その到達したところとはどのようなものであったか。 最も高いものは「はじめからいっさいの物は存在しない」とするのであって、これは究極まで至りつき、すべてを尽くしたもので、もはやつけ加えるべき何ものもない。 これに次ぐものとしては「物は存在するけれども、その物には限界:他と区別される境界がない」というのがある。 さらにこれに次ぐもの...

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29Aug
誕生日を祝っていただく

誕生日を祝っていただく

稽古のあと、みなさんにバースデーを祝っていただいた。 前日も水曜稽古組の方々に祝っていただいた果報者である。 私の誕生日はクリスマスなどと違ってきわめて個人的な祝い事だ。 自分ひとりでなんとなく浮かれているが、周りの人は普段と変わらぬ日々を過ごしている。 大人になって自分の誕生日を嬉しがるなんてみっともない、という感覚が、いつの頃からかある。 それが誰かに祝ってもらうことによって...

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25Aug
太気拳気功会 島田道男先生のこと

太気拳気功会 島田道男先生のこと

太気拳武禅会は師である島田道男先生に開いて頂いた。 自分の先生についてネット上であまり語りたくはない。 先生の凄さを語ることで、そんな達人に習った俺ってすごいでしょ、という自分自身や自流派に対しての権威づけという心理が見え隠れするからだ。 だけど少しだけのろけたい。 和菓子、いや、我が師、島田先生はすごい人だ。 常人ではありえないエピソードが山ほどあるが、残念ながらここでは語れない。...

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22Aug
スペインからの来訪者

スペインからの来訪者

スペインから、以前稽古に参加されたペドロさんが再来日。 彼の滞在先である千葉に出張しての個人稽古でした。 はるばるヨーロッパから来日し学ぼうとしてくださる気持ちに応えねば、と気合いも入ります。 韓氏意拳の許傑華先生に香港で指導頂いたとき「内家拳の力は直接触れないと理解できない。赤ちゃんにスプーンで離乳食を与えるようなものだ。」と言われました。 たしかに、郭雲深ー王向斎ー澤井健一ー島田道...

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18Aug
今=永遠

今=永遠

今は永遠。 1分前も1分後も、記憶や予想といった思いという形でしか存在しない。 1分後の自分にとって、そのときは「今」。 この身体と共にある事実は今のみ。 永遠の今だ。 [caption id="attachment_2039" align="alignnone" width="450"] 沖縄にて、明鏡止水[/caption]...

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14Aug
十勝岳ー上ホロカメットク山を歩く

十勝岳ー上ホロカメットク山を歩く

利尻山に続き、十勝岳ー上ホロカメットク山を縦走。 約7時間、15kmの道程だった。 硫黄がもうもうと噴き出る荒々しい岸壁はNASAが撮影した火星のようだ。 かとおもえば、高山植物で一面緑の丘陵もある。 火山の噴火によって大地が形成され、そこに適応した植物が繁栄し、虫や動物が集まる。 地球の歴史を早送りで見たような気がした。 滑りやすいぬかるみやゴロゴロした岩場、急な上り坂、緩や...

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