30Dec
無心の射

無心の射

短期間だがアーチェリーを習ったことがある。 素人レベルから抜けることはなかったが何千射かするうちに二度、「無心の射」とでもいうべきことを体験した。 主に練習していたのはコンパウンドボウの18m種目。 弓の両端に滑車のついたコンパウンドボウはオリンピックで使用されるリカーブボウよりも命中精度が高い。 屋内なので風の影響もなく、的までも18mと最短である。 コンパウンドボウの屋内18mを...

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30Dec
武道は遊び

武道は遊び

私にとって武道は遊びだ。 これで生活をしているので仕事でもあるが、感覚的にはやはり遊びである。 武道をとおして道を求めている。 道は太極、無為自然、万物斉同、そんな言葉にも変換されるが、 要は⚫️は黒丸でなく⚫️だ、そして最初の⚫️と次の⚫️も別物だよ、ということだ。 お茶を飲めばお茶の味がする。 ワンとあればワン、ニャーとあればニャー、これだけだ。 それが無常であり無我の様子で...

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29Dec
テキトーに、エーカゲンに。

テキトーに、エーカゲンに。

「適当に」、「良い加減に」、という言葉が好きだ。 そこには「ちょうどいい」「ぴったり」といったバランスのよさがある。 「適」(かなう)は 「ぴったり合う」「ふさわしい」。 「当」(あたる)は「的中する」「正解である」。 弓矢が的のど真ん中に吸い込まれるような、精妙、パーフェクトフィットな様子だ。 「間髪を入れず」という言葉は、AとBの間に髪の毛の入る隙間もないほどピッタリとした様...

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26Dec
太気拳合同稽古会

太気拳合同稽古会

先日、気功会・中道会・武禅会の太気拳合同稽古が開催された。 今回は気功会島田先生の立禅と歩法(這)についての指導が中心だった。 島田先生の指導は20年以上変わらず、だけれども常に新しい。 そして今回の指導にはいつも以上の熱量を感じた。 腰腹、股関節周りの締めがその中核にある。 螺旋を伴って上下に力があり、それが前後左右への力となる。 そしてそれらを率いるのが意である。 そ...

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19Dec
労働の質の転換

労働の質の転換

雪かきシーズンが始まった。 氷点下の屋外でも雪かきをすると身体が熱くなり、黙々と雪を運び続けることで心は静かになる。 山歩きなどと違って意味のある運動でもあり、とても楽しい。 とはいえやはり忙しいときや疲れているときは面倒なものだ。 そこで除雪機購入を検討するのだが、除雪機を買うのは「楽になる」ということではなく「労働の質を転換する」というだけの行為だと感じて結局は買わないという結論に...

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15Dec
県民と沿線民

県民と沿線民

大阪出身で札幌に住んでいると、「大阪と京都はお互いライバル意識があるんでしょ?」的なことを聞かれることがある。 聞かれるたびに「違いを感じることはあるけど、あんまり区別してないかも。」とふんわり答えていたが、最近その感覚の出どころがはっきりした。 それはきっと、自分がずっと阪急電車沿線に住んでいたからだ。 阪急電車は京都ー大阪ー神戸(兵庫)を結んでいる。 だから自分は大阪に住んでい...

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12Dec
目的の感じられる身体

目的の感じられる身体

冬の温泉は格別だ。 熱が身体にしみわたり、ちぢこまった心と身体をほぐしてくれる。 温泉に行くと色々な裸を目にする。 そして職業柄、身体をみると強そうかどうかを無意識に感じてしまう。 私が惹かれるのは、日々の活動で自然と培われたような身体だ。 ニセコの温泉で見た農家のじいさん。 前腕部が太く、胴回りがどっしりとしていた。 函館の温泉で見た漁師のおっさん。 網を引いたりするのだ...

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8Dec
不動智神妙録(間不容髪)

不動智神妙録(間不容髪)

間、髪を容(い)れずということがあります。 これを兵法にたとえて述べてみましょう。 (中略) 人が打ちこんできた太刀に心が止まれば、そこに隙ができます。 その隙にこちらからの働きが、お留守になるのです。 向こうが打ってきた太刀と、それに応える我が方の働きとの間に、髪の毛一本入らぬようなら、人の打つ太刀は自分の太刀となるのが当然です。 禅の問答でも、このように間髪を容れない心の状態を大切...

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5Dec
姿勢を整える

姿勢を整える

"At 40, a man must take responsibility for his face." 「40歳になったら、人は自分の顔に責任を持たねばならない」 元アメリカ大統領リンカーンが語ったとされる言葉だ。 (リンカーンが初代大統領だと思っていたが、十六代目だった。) 目鼻立ちは生まれついてのものだが、そこに浮かぶ表情やそれを40年続けた結果刻まれたシワは、自分の心の表れと...

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1Dec
体温の維持

体温の維持

家の暖房が故障した。 北海道の冬は暖房なしではかなり辛い。 あまりに寒いと身体も気分も動かない。 寒さに震えながら、人の営みは「体温の維持」が基本だ、と実感した。 衣食住はどれも体温を適切に保つことが第一の目的だろう。 カッコいい服を着たい、美味しい料理が食べたい、立派な家に住みたい、というのはそれが満たされてからのことだ。 「贅沢」と「必須」の最初の線引きはここかもしれない。 ...

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