太気拳と太極拳

July 26th, 2012

太気拳と太極拳、名前が似ているので違いを聞かれることがあります。
それぞれ別の武術ですが、共通点も多くみられます。
 
一見すると、太気拳はシンプル、太極拳は華やか。
 
こんな共通点と違いがみられます。

太気拳と太極拳の似ているところ

・歴史、由来
内家拳と呼ばれる流派が3つあります。
太極拳、形意拳、八卦掌。
これらは、気の力を養い、活用する点に特徴があります。
 
内家拳のひとつである形意拳から生まれた意拳、そしてその創始者である王向斎
の外国人唯一の弟子として学んだ澤井健一が創始した武術が太気拳です。
 
数百ある中国武術の中で内家拳と言われる拳法が、この三拳しかないことを考
えれば太極拳と形意拳、そしてその流れを汲む太気拳がいかに近い関係である
かをうかがい知ることができます。
 
・気を重視する
太気拳、太極拳とも「気」を重視します。
太気拳の場合は「気」を具体的に意識や神経の訓練を通じて高め、体感することができます。
気を養うという点において、太気拳にも太極拳にも気功的要素が色濃く含まれています。
 
・ゆるやかな動き、まろやかな動き
身体が球であるかのような動きに共通性を感じます。
どちらも綿の中に針を含むような、やわらかさの中に鋭さのある動きです。
稽古方法にも共通したものがあります。
 

太気拳が太極拳と違うところ

・静的な稽古
太気拳で最重要の稽古は「立禅」です。
手を胸の前にボールを抱えるよう挙げ、ただ静かに立つ。
この形の中で、意識、神経、筋肉の全てを練り、気を蓄え、爆発させる方法を体得します。
 
・単式の稽古
太極拳は、いくつもの技が連続して型(套路)となっていますが、太気拳の技は、ひとつひとつを反復して深めます。
つまり、型(套路)がありません。
 
太極拳の型は美しく流れるようです。
太気拳の動きはシンプルすぎて、あまりインパクトがありません。
ただ、シンプルな分深めやすく、実戦に使いやすいという感じがします。
 
・組手稽古
中国武術というと美しい型を一人で演じる、というイメージがあると思います。
しかし太気拳は実戦、組手を重視します。
それも自流内だけではなく、空手など他武道の方とも交流を重ね、普遍的な強さを追求してきました。
(当会では組手は希望者のみ。最近は女性の希望者も増えてきて驚いています。)
 
 
どの流派が優れている、強いということはありません。
武術に何を求めるのか、だと思います。
 
気を養い、護身術的な実戦性を併せて追求したい方には、太気拳を自信をもっておすすめします。