スペインからの来訪者

August 22nd, 2025

スペインから、以前稽古に参加されたペドロさんが再来日。
彼の滞在先である千葉に出張しての個人稽古でした。
はるばるヨーロッパから来日し学ぼうとしてくださる気持ちに応えねば、と気合いも入ります。

韓氏意拳の許傑華先生に香港で指導頂いたとき「内家拳の力は直接触れないと理解できない。赤ちゃんにスプーンで離乳食を与えるようなものだ。」と言われました。
たしかに、郭雲深ー王向斎ー澤井健一ー島田道男、と代々じかに手を触れて伝達されてきたものをお伝えするには、直接触れることが必須かもしれません。

以下のようなことが、今回ペドロさんにお伝えできたのではと思います。

・接触点に重さを乗せ、筋力ではなく重心の移動で動かすこと
重力、自分の重みが相手に伝達される力となります。
それをうまく伝える身体の構造を維持、持続させるための筋力は必要です。
その構造がどのようであるか、ということが直接触れないと理解し難いと思います。

・動いているが動いていない感覚
中心が動かない揺を通して、重心を維持しながら体勢が変化する様子を紹介しました。重力と身体の一致、身体の連動性についての理解を深めるということにつながります。

・思い、感情もそのまま
これは武術というより禅の話になりますが。
ピーポーピーポー(救急車のサイレン)となったらピーポーピーポーがある。
愛おしい、という気持ちがあったら愛おしい、という気持ちがある。
ピーポーピーポーよりも愛おしい(という気持ち)、のほうが大事だ、と思ったら、ピーポーピーポーよりも愛おしい、のほうが大事だ。とある。
今そのままの様子が事実だよ、ということです。

自分が大切だと感じることをシェアし、それを体感・共感してもらえる喜びにあふれた仕事(?)をさせて頂いていることに感謝です。🙏

武道、禅以外の話もいろいろとしました。
日本は資源が少ない国という先入観がありますが「水」は豊富です。
スペインでは水不足の地域もあるそうで、恵まれているものについては「恵まれている」のではなく「当たり前」と考えているのだな、と反省。
また最近スペインではドイツなどの外国資本が土地を買い漁っていて問題になっている、とも聞きました。
これは日本でも同じようなことが起こっていますね。

札幌に帰る便では、成田空港で武禅会会員のカトちゃんとばったり。
思わぬ楽しいひとときも過ごせました。

“¡Gracias, Pedro! Nos vemos en Madrid la próxima vez.”
(AIって便利!)

触れ合って伝わることがある