29Sep
精神の無秩序を整える

精神の無秩序を整える

「体操は身体の運動に対する正しい判断の支配であり、それによつて精神の無秩序も整へられることができる。情念の動くままにまかされようとしてゐる身体に対して適当な体操を心得てゐることは情念を支配するに肝要なことである。」 人生論ノート by 三木清 武術はまず型を通して学ぶ。 太気拳には型というものはないが、ひとつひとつの動きに原理原則がある。 原理原則・秩序のある動きを身体に覚えさせる...

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26Sep
二十歳の誕生日

二十歳の誕生日

今日2025年9月26日、20歳の誕生日をむかえる会員さんがいる。 毎年迎える誕生日のなかでも特別な年だと思う。 彼は若くして自分の進路を見定め、しっかりと歩いている。 その彼が、成人したらしっかりした人になりたい、と言っていた。 しっかりとした人ってどんな?と聞くと、自分で決めたことをやり抜く人だ、と。 それを聞き我が身を振り返り、そのしっかりしてなさぶりに笑えた。 自分で決...

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22Sep
少年たちに学ぶ

少年たちに学ぶ

太気拳武禅会では小学校2年生から70代の方までが稽古を楽しまれている。 皆さんから学びをいただくが、なかでも小・中学生の吸収力にはいつも驚かされる。 きっと固定観念といったものが、まだ少ないのだろう。 見たまま、感じたままをスッポリとマネする。 大人は、無意識に自分なりの解釈をして、それを表現する。 経験こそが成長であるが、それが邪魔をすることもある。 事実に「私なりの解釈」を加え...

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19Sep
希望を抱くのをやめれば不安もなくなる

希望を抱くのをやめれば不安もなくなる

希望を抱くのをやめれば不安もなくなる by セネカ ストイックという言葉がある。 「目標達成のため感情や欲望に流されず、自己を厳しく律し、努力を続ける姿勢」 いま世界陸上が開催されているが、参加選手たちはまさにこれの実践者だろう。 セネカはこのストイックという言葉の由来となったストア派哲学の代表的な人物だ。 彼の言葉のひとつが、冒頭の「希望を抱くのをやめれば不安もなくなる」。 ...

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15Sep
荘子 人間世篇7

荘子 人間世篇7

自分の心から門や砦を取りはらい、いっさいの警戒をすて去り、ここを自分のすみかとひとすじに定め、やむにやまれぬ必然の運命のうちに身をよせるならば、それで完全に近いということができよう。(中略) 幸福もまた、あがきをやめた空虚な心にこそ、とどまり宿るのである。 荘子 人間世篇7(森三樹三郎訳) 「今よりも幸福に、豊かに、健康に、なりたい。」 そう思う。 だけど実は、 「今よりも幸福...

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12Sep
「私」にとっての「事実」について

「私」にとっての「事実」について

科学的なこと、客観的なことが事実・真実というのが一般的な常識だ。 「火星に無人探査機が到着した。」 これは客観的な事実だろう。 しかしそれが「私」「自分という意識」にとっても事実・真実だろうか。 「私」は五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)から入力された刺激を脳などで処理した結果と、思いや思考、感情などが総合された主観の世界で生きている。 生まれてから死ぬまで、この様子のみである。 ...

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8Sep
中心力

中心力

武術において最優先事項は相手を倒すことではなく、自分を護ることである。 そしてその力の物理的な源泉は外に放出する力ではなく、中心に向かう力である。 中心に向かう力とはバランス力だ。 自分の外に向かう力と中心に向かう力があるとき、中心への力が優っていればバランスが維持される。 ヤジロベエを軽く揺らすと揺れが少しづつ小さくなり、ついには中心で静止する。 だが限界を超えて強く揺らせば、中心...

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5Sep
「好き」で「それをやっている自分が好き」なことをやる

「好き」で「それをやっている自分が好き」なことをやる

人生は選択の連続だ。 どのような選択をするか、そしてその判断基準はなにか。 それがその人の人格やライフスタイルを決めると言っても過言ではない。 以前の私の主な判断基準は「損か得か」「それが将来、自分のためになるかどうか」であった。 進学や就職など、人生を方向づけるような大きな選択肢であればあるほど、その傾向は強く現れていた。 ところがここ10年ほどは、何かを選ぶとき「好きか嫌いか...

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1Sep
荘子 斉物論篇13

荘子 斉物論篇13

上古の人には、その知恵が、それぞれに到達するところがあった。 その到達したところとはどのようなものであったか。 最も高いものは「はじめからいっさいの物は存在しない」とするのであって、これは究極まで至りつき、すべてを尽くしたもので、もはやつけ加えるべき何ものもない。 これに次ぐものとしては「物は存在するけれども、その物には限界:他と区別される境界がない」というのがある。 さらにこれに次ぐもの...

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