たいきけん

October 6th, 2025

入会されて2年ほどのTさん。
ひょうひょうとした雰囲気が魅力の人生の先輩だ。
とある大企業で営業畑を歩まれたそうで誰とでも、どんな内容の話でも、会話を盛り上げてしまう。
きっと営業の達人なのだろう。

その方が、
「実はね、先日YouTubeを観たんです。
そこで”たいきけん”を”太気拳”って言ってる人がいたんです。
ウチは”大気拳”ですよね。
”太気拳”っていうのもあるんですか。」
と言われたのだ。

ニヤリとしてしまった。
いやいや、ウチは「太気拳」だ。
「太」である。
太気拳は通称で、正式名称は太氣至誠拳法という。

なんかいいなー、と思った。
私が太気拳と出会った30年ほど前は、太気拳は「強くなりたい、闘いたい」という者の拳法で、激しい組手で怪我人が続出するとんがった流派だった。
武術にひたむきな、ある意味マニアが集まる流派だった。

だが武禅会にはTさんのように流派の名前も曖昧な仲間がいる。
「実戦拳法」といったブランドや流派、名声で当会を選んではいないのだ。

武術として太気拳を追求する人もいる。
健康増進の一助として太気拳を楽しむ人もいる。

太気拳が、武禅会が、幅広い方々に受け入れれられているような気がした。
武禅会は太気拳を極める場ではなく、太気拳を通して己を極める場でありたい。

大雪山にて。散在する奇岩がオブジェのよう