身体と意識の相関関係

October 24th, 2025

「学ぶ」の語源は「真似ぶ」とする説がある。
気功は自然をまね、その気を我が身に写し取る行為だ。
立禅は中国では站椿というが、これは樹木の真似であるともいう。
大樹のごとく静かに立ち、その静けさ、何事にも動じない強さを真似るのだ。

真似をすればそうなる、ある程度は。
眉間にシワを寄せていれば険しい気分になるし、笑顔をつくっているとなんとなく機嫌がよくなってくる。
姿勢を正していると心もスッとしてくる。
心配事があって体調を崩すのは意識が身体に与える影響であるが、逆に風邪をひくとなんとなく不機嫌にもなる。
心が元気になれば身体も元気になるし、逆に身体が元気になれば心も元気になるのだ。
もちろん心で治せない病もある、身体が元気でも消えない心配もある。
そこは理性の力を借りよう。
何事もバランスだ。

気功や武道は、身体運動を通して意識に変化をもたらす。
頭頂部は天を支え、脚は大地を踏みしめる。
この上下の力が根源となり丹田から四肢に気が充実する。
身体に中心の感覚とバランス力が備わるのだ。

身体感覚としての軸や丹田が、精神面での軸や中心をつくる。
武禅会の稽古はそのようであろうとしている。

台湾の九份にて。夜遊びの帰り道