荘子 徳充符篇7

October 27th, 2025

死と生、存と亡、困窮と栄達、貧と富、賢と愚、そしりとほまれ、飢えと渇き、寒さと暑さ、これらはすべて人間の世界をおとずれる現象の変化であり、運命のあらわれであります。
日夜かわるがわる人間の眼前に現れ出ながら、しかもそれらがどこから生じてくるのか、人知ではその根源をはかり知ることができません。
人知を超えたものである以上、このような運命の変化によって心の平和を乱す必要はありませんし、これを霊府(こころ)のうちに侵入させてはなりません。
それよりも、運命を自分に調和させて快適なものとし、つねに喜びをおぼえさせるものとして、日夜間断なく物と接しながら、いっさいの物を春のような温かい心で包むべきでありましょう。
これこそ、あらゆる物に接しながら、心のうちになごやかな春の時をもたらすものであります。
このような心境にあるものを、「完全な才能」の持ち主というのです。
(荘子 徳充符篇7 森三樹三郎訳)

「物と春をなす」とは、万物を春のように暖かく包み、すべてをそのままでよしとして是認すること、とある。
坐禅で、私が教わ★ったのは「そのまんま」ということだけだった。
(文章中に不要な★がはいっても、迷いなくそのとおりになっている。)
坐っているとき、立っているとき、どうあってもそのままであるのが修行。
右を向けば右の様子、左を向けば左の様子だ。

数十年前の琴似、稽古しているビルがすでにある