目的の感じられる身体

December 12th, 2025

冬の温泉は格別だ。
熱が身体にしみわたり、ちぢこまった心と身体をほぐしてくれる。

温泉に行くと色々な裸を目にする。
そして職業柄、身体をみると強そうかどうかを無意識に感じてしまう。

私が惹かれるのは、日々の活動で自然と培われたような身体だ。
ニセコの温泉で見た農家のじいさん。
前腕部が太く、胴回りがどっしりとしていた。
函館の温泉で見た漁師のおっさん。
網を引いたりするのだろうか、広背筋が発達した分厚い胸周りをしていた。
日に焼けて肌にはシワもあるしシミもある、だけど必要な筋肉のついた、使い込まれた古道具のような身体に強さと美しさを感じる。

使用目的が感じられる身体。
プロの専門工具のような身体。
用の美ということなのだろう。

体型にはその人の生活や性格があらわれる。
漁師の生活をしていれば漁師の体型になるように、「よい」体型になりたければ、「よい」生活をすることだ。
無理なトレーニングや偏ったダイエットを一時的に頑張るのではなく、生活に溶け込んだ修行や身体活動を、歯磨きをするように毎日、一生続けたい。
よい生活をしよう。
よく食べ、よく動き、よく寝よう。

フィンランドのイナリ湖にて