15Dec
県民と沿線民

県民と沿線民

大阪出身で札幌に住んでいると、「大阪と京都はお互いライバル意識があるんでしょ?」的なことを聞かれることがある。 聞かれるたびに「違いを感じることはあるけど、あんまり区別してないかも。」とふんわり答えていたが、最近その感覚の出どころがはっきりした。 それはきっと、自分がずっと阪急電車沿線に住んでいたからだ。 阪急電車は京都ー大阪ー神戸(兵庫)を結んでいる。 だから自分は大阪に住んでい...

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12Dec
目的の感じられる身体

目的の感じられる身体

冬の温泉は格別だ。 熱が身体にしみわたり、ちぢこまった心と身体をほぐしてくれる。 温泉に行くと色々な裸を目にする。 そして職業柄、身体をみると強そうかどうかを無意識に感じてしまう。 私が惹かれるのは、日々の活動で自然と培われたような身体だ。 ニセコの温泉で見た農家のじいさん。 前腕部が太く、胴回りがどっしりとしていた。 函館の温泉で見た漁師のおっさん。 網を引いたりするのだ...

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8Dec
不動智神妙録(間不容髪)

不動智神妙録(間不容髪)

間、髪を容(い)れずということがあります。 これを兵法にたとえて述べてみましょう。 (中略) 人が打ちこんできた太刀に心が止まれば、そこに隙ができます。 その隙にこちらからの働きが、お留守になるのです。 向こうが打ってきた太刀と、それに応える我が方の働きとの間に、髪の毛一本入らぬようなら、人の打つ太刀は自分の太刀となるのが当然です。 禅の問答でも、このように間髪を容れない心の状態を大切...

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5Dec
姿勢を整える

姿勢を整える

"At 40, a man must take responsibility for his face." 「40歳になったら、人は自分の顔に責任を持たねばならない」 元アメリカ大統領リンカーンが語ったとされる言葉だ。 (リンカーンが初代大統領だと思っていたが、十六代目だった。) 目鼻立ちは生まれついてのものだが、そこに浮かぶ表情やそれを40年続けた結果刻まれたシワは、自分の心の表れと...

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1Dec
体温の維持

体温の維持

家の暖房が故障した。 北海道の冬は暖房なしではかなり辛い。 あまりに寒いと身体も気分も動かない。 寒さに震えながら、人の営みは「体温の維持」が基本だ、と実感した。 衣食住はどれも体温を適切に保つことが第一の目的だろう。 カッコいい服を着たい、美味しい料理が食べたい、立派な家に住みたい、というのはそれが満たされてからのことだ。 「贅沢」と「必須」の最初の線引きはここかもしれない。 ...

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28Nov
意念を用いるか、用いざるか

意念を用いるか、用いざるか

立禅では意念(イメージ)を使うことがある。 四方の空間とバネで繋がっており、全身が空間全体と協調して動く。 全身が周囲の空間、自然とつながっているかのようだ。 敵と相対したときもその相手だけにとらわれることなく、天地と呼応する。 自己と周囲の環境との一体化ともいえるだろう。 意念を使わず、ただ立つこともある。 ただそのままに立つ。 野生動物が休息しているときのようだ。 くつろい...

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24Nov
不動智神妙録(無明住地煩悩)

不動智神妙録(無明住地煩悩)

無明住地を、あなたがよくご存知の兵法にたとえて説明してみましょう。 敵が刀を振り上げて切りかかってきたとします。 その刀を一目みて、「あっ、来るな。」などと思うと、相手の刀の動きに心がひきずられて、こちらは自由に動くことができずに切られてしまいます。 打ちこんできた刀を見ることは見るのですが、それに対して、ここで相手の刀を切りかえそうとか、どう打ちこもうかなどと思慮分別を一切持たずに、つまり...

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21Nov
大阪の仲間との稽古

大阪の仲間との稽古

大阪に太気拳の仲間がいる。 私は島田道男先生の弟子だが、彼は別の先生のもとで長年稽古をしている。 技量もあり誠実な人柄と相まって、会うたびに楽しく多くの気付きをいただく。 師が変われば稽古のありようも違ってくる。 立禅や動きの形にも多くの差がある。 だが互いに触れ、語ると、本質的なところで共通点がある。 そうでなければ同じ流派、太気拳とはいえないだろう。 その本質とは立禅の力...

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14Nov
荘子 大宗師篇2

荘子 大宗師篇2

上古の真人は、不幸な運命に見舞われても逆らうことがなく、たとえ成功してもこれを誇ることがなく、万事を自然のままにゆだねて、はからいをすることがなかった。 (中略) 上古の真人は、眠るときは、眠ることに安んずるために、夢を見ることがない。 その目ざめているときは、日常の営みに安んずるために、憂いをもつことがない。 食事のときも、特別に何かがうまいといって心をひかれることもなく、その呼吸は深く...

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7Nov
力の噴水

力の噴水

相手から受けた力を地面に流す。 地面からの力を相手に伝達する。 身体はあたかも力を通す噴水のようだ。 足裏からの力が、ブワーッと頭頂部に到る。 その力の一部が腕を伝わり、相手に届く。 この力は主として自分の体重が地面を押す反力である。 その逆に、相手からの力を地面に吸収する。 そのとき、相手との接点は足の裏のようになっている。 そこで自分を支えられるようになっているのだ。 ...

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