前拳のコツ⑤

August 10th, 2025

108ある前拳(でのストレートパンチ)のコツのうち、ランダムに5つ紹介してきた。
これが最後のコツ⑤である。

コツ⑤「中心へ、前拳は防御も兼ねる」

正中線上には眉間、人中(鼻と唇の間)、喉、みぞおち、金的など数多くの急所が位置している。
組手においてはこれらを適切に守り、攻撃することが肝要だ。

そこで前拳は正中線上に構え、そこから真っ直ぐに出すことを基本とする。
真っ直ぐに最短距離で相手の弱点へ、基本形では人中を狙う。

このように中心から中心へ攻撃すると、自然と自分の中心が守られている形になる。
中心を守っているのでフックなど側面からの攻撃には弱いが、直線の方が速く当たるので、セオリー通りに行けば問題ない。
セオリー通りにいかないことが多いから困ったものなのだが。
このあたりの駆け引きにはコツが64あるのだが、それはまたの機会にしよう。

前拳は中心を守りながら中心を攻めることができるので、攻撃時にスキが少ない。
また相手が攻撃をしてきたときに通常は防御をするが、前拳で相打ちを狙うというのが非常に効果的だ。

自分が攻撃をすることをイメージしてほしい。
自分が攻撃したときに相手が防御をする場合と、相手がやり返してくる場合、どちらがイヤだろうか。
日本の自衛隊のようなものだ。
自分から攻撃はしないけど、やってきたらやり返すよ?という覚悟と力があれば、相手はなかなか攻撃することができない。
相打ちは基本であり極意である。

自分の中心から相手の中心へ真っ直ぐに打つ前拳でのストレートは、攻撃も防御も兼ね備えているのだ。

前拳のコツ
コツ①当たる瞬間、前脚が浮いている
コツ②前に出ながら打つ
コツ③腕と脚は同時に出る
コツ④地面からの力を伝達する

小樽のゆるい空気が好き